『 この世界の片隅に 』が、教えてくれたこと

画像引用元:pixabay

戦時中のことを私は知らなさすぎたと思います。

でも2018年に放映されたテレビドラマの『この世界の片隅に』が、戦争のある日常とはどのような日常なのかを、初めてリアルに私に教えてくれました。

テレビ版のはさらに3年前のアニメ編とは繋がりは特にはないというような、番組サイドからのコメントを事前に見ていたので、それぞれは別物なんだろうなぁと思いながら最終回まで気持ちが途切れることなく見れました。

この番組に対するコメントなども読むと、全9話は短い、最終回はもっと丁寧に描いて欲しかった、などの最後に巻きが入っていて時間的な不足を訴える意見も多かったようですが、アニメの方も原作本も読んでいなかった私には、充分にインパクトを感じる事が出来た素晴らしい作品だったと思います。

『この世界の片隅に』は、私にとって 今までで一番、戦争について 深く考えることができた作品だった気がします。

戦後生まれということもあり、私は全く戦争のことを考える日々を送っては来なかったと思うから・・・

画像引用元:pixabay

学校の授業で覚えるテスト範囲内でとか、終戦記念日などのイベント番組を テレビでたまたま見かける時だけ・・・に、戦争をしてた時代のことを、いつもよりかは意識するくらいだったから 少し時間が経つと、また戦争を意識しない日々に戻っていました。

だけど今回は違った。

『この世界の片隅に』を通じて 、3ヶ月ものクールの長い間、ずっと心のどこかで戦時中を意識し続けていれたことが、そもそも初めてのことだったので違ったのです。

強制されることなく自発的に見始めたドラマの中で、ごく自然な形で戦争下の人々の日常の暮らしが描かれていたのも 説教くさい始まり方ではなくて 私には合っていたし、現代の日常と対比することがとても多くて、興味深く 分かりやすかったです。

【 戦争をするということは、こんな日々が続くんだと、とてもイメージがしやすかったです。】

画像引用元:pixabay

現代もストレス社会でいろいろ難しいところもあるけれども、まだいろいろな選択肢が広がっていて 、人生を自分の裁量で決めていける感があるけれど、戦争があったこの時代というのは、全然違うんだと思いました。

戦争が始まるのも、戦争が終わるのも、自分たちでは何も決められない。

誰かやどこかの国の偉い人が決めたストーリーに、ただ従って生きて行く。

ドラマの中であったように、すずさんが右手を失うことも、家族や大切な人を失うことも、自分とは関係ないことが原因で、そうなってしまうことが 日常のあちらこちらで起こっていく。

それでも、国民みんなが判で押したように、それとも見かけ上は? どんな結果になったとしても 黙々と ただ 従って行く。

画像引用元:pixabay

戦争なんてしたくない!もう止めたいです! みんなで止めませんか!などとは、間違っても言えない 空気が日常に住み着く。

いつ来るともわからない空襲に怯えながら、今日も 明日も 流れて行く毎日・・・

そしてある日、やっと戦争が終わったと知らされる。

なぜ終わったのか、細かな勝ち負けの詳細などは知らされることもなく、とにかく終わった。

終わったから、もう そこで起きたことは過去のことだと、 各自が納得して 今度は 次へ行かないと・・・

みんながそうしてるから、それが正しい はずだから・・・

🍀🍀🍀🍀🍀🍀

戦争をしていない暮らしとは ことごとくが違う、無情さや閉塞感を感じて やり切れない、心を殺されていくような日々だと思いました。。。

【 こんな日常へと逆行していくような、戦争を また いつかするのですか?

何かのために、あの時代には戦争が 本当に 必要だったのですか??

その何かは、あなたの大切な人よりも、もっと 大切なモノなのですか??? 】

🍀🍀🍀🍀🍀🍀

『この世界の片隅に』は、番組がたとえ終わっても、こんな質問をずっと私に投げかけ続けているから、私も真摯に向き合わないといけない気がするのです。

こんな気持ちに初めてさせられたのが、テレビドラマ版の『 この世界の片隅に 』でした。。。

画像引用元:pixabay